プーケットでの学校選びについてまとめました。
近年では、英語教育を重視して家族で移住される方や母子での留学先としてプーケットを選ぶ人も増えています。
我が家の子供たち泰日ハーフの4歳と7歳。学校選びの方針は決まっていますが、今後の進路や可能性を考えて情報を整理。
プーケットで日本人の子供が通うことのできる学校の選択肢、設備、特徴など、これまで調べてきた内容やママ友情報を共有します。
バンコクとは異なり日本人コミュニティが小さく、『日本人にはココがオススメ!』というものはありません。
各家庭のバックグラウンドによって学校の選択肢も様々ですが、これからプーケットでお子さんの学校選びをしよう!という方のお役に立てれば幸いです。
タイの学校の種類や特徴
まずは学校の種類。
私が暮らしているプーケットでは幼稚園~大学まで全ての期間で大まかに分けてこの3つです。
- インターナショナル校
- 私立校
- 公立校(国立・県立・その他)
バンコクや他県では幼稚園~大学までエスカレーター式の国立校があり、富裕層家庭では大学受験までを名門の私立男子校・女子校で過ごすお子さんも多いようです。
また、一部の公立は親のどちらかがタイ国籍を持っていないと入学できないという話も聞きます。
外国人家庭でタイ公立校を目指すご家庭はなかなかいないと思いますが、最近ではタイ国籍を持たないお子さんも、プーケット移住のため日本から公立EPに編入した話も聞くので、タイの公立学校事情も少しずつ変わってきたように感じます。
プーケットに日本人学校はある?
タイ国内にはバンコクとシラチャにシラチャ日本人学校があります。
残念ながらプーケットには日本人学校がありません。
プーケット日本人補習校
プーケットには現地日本人会による週一回(半日・3時間授業)の日本人補習校があり、日本語学習を補うことは可能です。
「日本人の先生と勉強をする」時間は少ないながら持つことができ、年1回ですがシラチャの日本人学校の先生による巡回指導があります。
両親のいずれかが日本人であることが日本人補習校の入学条件でもあるので、日本語を使って遊ぶお友達を作りたいという人にもおすすめです。
ハイレベルな日本語教育を望むことはできませんが、親以外の日本人と接する時間を持つことで、少しでも自分のルーツを感じてくれたらな、という想いで通わせています。
タイにある学校の学年・学期制度
タイに来て気づきましたが、幼稚園から大学まで私立も公立もほぼ全ての学生が同じ時期に休んでいる日本って、世界から見たら結構珍しいことではないでしょうか?
タイの公立&私立は原則2学期制ですが、インターは3学期。
学校によって休みの設定も微妙に違い、子供同士仲が良くても、通っている学校によってなかなか予定が合わないことも多々あります。
インターと現地校では学年の呼び方も異なるので、慣れないと混乱します。
学校年度のスタートも異なり、日本では1年生になれる年齢でも、タイでは1つ下の学年ということも。
発達度合いによっては、あえて7歳ではなく8歳になる年齢で1年生をスタートさせるという家庭もあります。
年齢 | 日本 | タイ | インター(英式) |
---|---|---|---|
年度 | 4~3月 | 5~4月 | 9~8月 |
3-4 | 年少 | アヌバン1 | Nursery |
4-5 | 年中 | アヌバン2 | Reception |
5-6 | 年長 | アヌバン3 | Year1 |
6-7 | 小1 | ポー1 | Year2 |
7-8 | 小2 | ポー2 | Year3 |
8-9 | 小3 | ポー3 | Year4 |
9-10 | 小4 | ポー4 | Year5 |
10-11 | 小5 | ポー5 | Year6 |
11-12 | 小6 | ポー6 | Year7 |
12-13 | 中1 | モー1 | Year8 |
13-14 | 中2 | モー2 | Year9 |
14-15 | 中3 | モー3 | Year10 |
15-16 | 高1 | モー4 | Year11 |
16-17 | 高2 | モー5 | Year12 |
17-18 | 高3 | モー6 | Year13 |
→タイの長い春休みを利用して約1か月日本の小学校に通ってみました
タイ(プーケット)にある学校の学費
日本とタイを比較すると、タイの教育格差は激しく、プーケットでも子供の教育にかかる費用はピンキリです。
公立であれば原則学費は無償とされていますが、給食費、教科書代、学校の修繕費や課外活動の費用などで1学期あたり3,000~4,000バーツ(1~2万円程度)の支払いが発生します(公立EPやIEPの学費はまた別)。
参考:NHK WEB特集一覧 ニュース記事
私立校はタイ語で学ぶタイプログラムとEP(イングリッシュプログラム)に分かれており、両方の言語で学ぶIEP(インターナショナルイングリッシュプログラム)のクラスを設けている学校もあります。
- タイプログラム:年4~5万バーツ(15万円程度)
- EPないしIEP:年6~7万バーツ(22万円程度)
プーケットの中流家庭は私立校に通わせる家庭が多い印象です。
インターナショナル校となると安くて年30万バーツ(約100万)、高いと60万バーツ以上かかります。
プーケットの場合は🏫ガチ2校とその他色々
— いほーじんA🇹🇭非リゾート的PHUKET (@Haguki81108183) November 7, 2021
・BIS(15年):約3,600万円
・UWC(15年):約3,190万円
・Head Start(15年):約1,960万円
・BCIS(16年):約1,650万円
・KIS(16年):約1,640万円 https://t.co/YGqLDvPeuz
タイの学校で受ける授業はタイ語?英語?
タイの学校には英語で全ての授業を受けるイングリッシュプログラムや、英語とタイ語の2つの言を学ぶIEPがありますが、母国語としてタイ語を話せる学生の割合が多く、タイ語の授業も設けられています。
ネイティブレベルの英語力となるとインターに通わせる必要があるようです。
【英語】
インターナショナル校
【英語タイ語両方】
私立EP (イングリッシュプログラム)
私立IEP(インターナショナルイングリッシュプログラム)
公立EP (イングリッシュプログラム)
公立IEP(インターナショナルイングリッシュプログラム)
【タイ語】
私立タイプログラム
公立普通科
タイでの学校選び!プーケット版
ここからはプーケットにある主要な学校をインター、私立、国公立の3つにわけて紹介。
プーケットに大学は2つしかなく、レベルが高いわけではないので中学or高校卒業から他県で寮生活をして大学や専門学校に通う学生がほとんどです。
インター卒業生はアメリカやイギリスの名門大学を目指す生徒も多く、バンコクの名門国立大学を目指す場合には私立より公立で成績上位を狙った方が有利と言われています。
タイ・プーケットのインター校
コロナ前のプーケットはチャイナ&ロシアバブルで定住者が多く、大きなコミュニティがあったためインターにはこの2つの国籍の子が多かったようです。
最近はかなり落ち着きましたが、学校によっては1クラスに占める各国籍の割合を決めてあり、同じ国の子ばかりがいるクラスができないように調整されています。
私の周りの日本人家族は、少し前の世代は私立校が多かったのですが、最近ではインターに通わせているご家庭が増えてきたと感じています
BISP(British International School Phuket)
1996年創立、プーケットに最初にできたイギリス式の寄宿学校です。
公式の情報によれば60以上の国籍からなる約700人の学生のうち、100人以上が寄宿生とのこと。
国際バカロレア(IB)認定校であり、芸術とスポーツに力を入れているため、設備の充実具合が感動モノで、体操教室などのアクティビティが充実しているのも他にはない魅力です。
学費はプーケットで一番高く、小学校低学年でも年間200万円程ですが、他の国や地域よりは安いようで環境が気に入りココに決める人いるも多いそう。
島の中央部にあり、どのエリアからでもアクセスしやいKoh Kaewというエリアにあります。
ハリーポッターの様な校舎が素敵ですね。
UWC( United World College Thailand International School )
#EarlyYears
— Rob Carmichael (@Outdoor_Ed_Rob) November 9, 2021
A glimpse of @UWCThailand’s #Kindergarten developing #connections with the #outdoors.
This semester kindergarten will visit ‘The Playyard’, a unique space where students can explore, #learn and #play!#UWC #CallToEarth #edchat #edutwitter @JenFriske @caryl_phuket pic.twitter.com/NrDtAN0AZT
もともとThanyapura(タンチャブラと読みます)という巨大なスポーツ施設を有するリゾートに併設していたインター校ですが、2016年から日本でも名前が知られてきたUWCに加盟。
国際バカロレア(IB)認定校であり、世界レベルの質の高い教育で知られるUWCなので、シンガポール校に順番待ちをかけつつプーケット校に入学し、数年後に転校される生徒もいるそうです。
プーケットで外国人家庭が住みやすい環境が整っているのは南部なのですが、この学校は北部にあるため場所によっては往復60キロ以上の車通学と少し負担が大きいかな?と感じる立地
ですが、行ってみると広大なゴム林の中にオリンピックスタジアムドーン!50mプールドドーン!(隣にはホテル)とスンゴイ設備に目をひん剥きます。
英語ネイティブでスポーツに熱中したい!という意欲の高いお子さんが集まり、年中多彩な課外授業が行われ、施設内の職員も英語しか話さないので、タイにいるのを忘れるくらいインターナショナルな校風が特徴です。
KIS( Kajonkiet International School, Phuket )
For the ultimate safety of our community and as a measure set by emergency decree, KIS has implemented and adjusted the way of school day operation in readiness of our school re-opening.#KISPhuket #BecauseYouAreOurFamily #covid19#Thailand#Internationalschool#School#phuket pic.twitter.com/RxNDK8WoQq
— kisphuket (@kisphuket) May 29, 2020
プーケットの現地私立校として歴史のある Kajonkietsuksa系列で、タイ人オーナーが設立した新しいインターで英国式カリキュラムで授業を行っています。
元からある現地私立学校に隣接しているので土地の問題もあって、設備の規模は前述のBISPやUWCほどではありませんが、新しくて綺麗な学校です。
島の中央部にあるKathuというエリアにあり、どこからでもアクセスしやすい立地。
BISPやUWCと比べると半分ほどの学費でインターに行ける!ということで、タイ人の子供も多く、英語教育に意欲的な保護者から注目されています。
Head Start International School
HeadStartは2005年にホームスクールからスタートし、 徐々に規模を拡大しインター校認定を受けた比較的新しいインターです。
2015年に立派な新校舎が島中央のセントラルデパート新館の裏に開いてから急激に知名度が上がった印象。
2つのIB校と比べると学費も安めで、新校舎と新しい設備、アフタースクールのアクティビティも充実しているそうで、KISと比較されることの多い学校です。
ここに挙げた以外にも
- BCIS Phuket International School
- QSI International School of Phuket
- Oak Meadow International School
- Montessori House Phuket International School
など、プーケットには意外にも沢山のインターナショナル校があり、学費も校風も異なります。
旅行会社に勤めていたころ、お客さんの学校見学に付き添い、中の様子を見て回ったことはあるのですが、もし自分が親として学校見学をするのであれば、平日に3~4件アポイントを入れ、数日間で色んな学校を見てから決めるのが良いと感じました。
タイ・プーケットの私立校
ローカルの私立は純タイ人か、タイ人ハーフの学生が多く、タイプログラムよりもEP&IEPが人気です。
私立なので学校の設備やアフタースクールもそれなりに充実していることもあり、共働き家庭の子が多いかな?と感じます。
カジョンキアット(Kajonkiet School)
1954年に設立されたKajonkietsuksaをはじめ島内に何か所か校舎を構える、プーケットで最も規模の大きな現地私立校です。
系列の幼稚園や小学校がプーケット各エリアにあり、どこに住んでいても通わせやすい場所にあり、中流家庭に丁度良い学費で、タイ語の基礎+英語が学べます。
Kajonkietsuksa と Kajonkiet Pattanaの2か所が特に大きな2校で、 KajonkietsuksaにインターのKISが隣接しています。
ダラサムット(Darasamuth Phuket School)
ダラサムットは1964年に設立されたカトリックスクール。カジョンキアット同様に歴史があり、生徒数もかなり多い学校です。
島の中央にあるセントラルデパートの真向かいに位置し、どこからでも通いやすいロケーション。
タイ人家庭の子は大概仏教徒なのであまりイメージがつきませんが、私立にはカトリックスクールも一定数あります。
タイホゥア(Phuket Thaihua ASEAN Wittaya School)
プーケットオールドタンの街並みは、中国の福建地方から移り住んだ華僑が作ったもの。
19世紀頃からプーケットは中国文化と深く関わってきました。
→世界的奇祭もプーケットに残る中国文化の一つ
このため、プーケットには古くから中国語教育の土壌があり、その歴史を受け継いでいる私立学校がタイホゥアです。
現在も中国語教育に力を入れている学校として人気があります。
プーケットで有名な私立学校というとこの3校ですが、もちろん他にもたくさんの学校があります。
タイ・プーケットの国公立校
うちの子はタイ人と日本人のハーフで、もともとプーケットに夫の実家があるため、夫の母校の話を含め、公立の学校についても色々と情報が入ってきます。
中でもココはプーケットで1番!女の子ならココ!理系ならココ!バンコクの名門国立大学を目指すならどこ、英語を勉強させるならそこだ!と特徴的な学校がいくつかあるので紹介します。
幼稚園~小学校編(タイ・プーケットの公立校)
プーケットで幼稚園から大学までエスカレーターでいられる学校は、知っている範囲で私立のPhuket Rajabhat University付属しかありません。
タイ77県のうち38の県にある大学で、『入るのがとても簡単』という噂しか聞いたことがないので…
インターや私立のように幼稚園~高校までいられる学校はなく、公立の場合は中学受験する子がほとんどです。
学区の概念はないので自宅から離れた学校に通っている子も多く、小学校からの入学は倍率が高いため、幼稚園受験をして小学校卒業まで同じ学校に通えるよう小さいうちからお受験を頑張る家庭も少なくありません。
マイリアップ(Banmaireab Primary School)
マイリアップはタイの公立でありながら、全クラスEPとIEPで編成されているとても珍しい学校です。
EPの相場は私立・公立ともに年20~30万円程なのですが、この学校は破格の5万円程で英語に力を入れた教育を受けさせられるということで、意識の高いタイ人に大人気。
但し、先生は英語が話せるタイ人とアジア系ネイティブのティーチャーの割合が高いようです。
お安くEPに通えて魅力的なのですが、公立は中学受験があるため小学校卒業時のタイ語レベルが入試に響くことが懸念されます。
学校の授業は英語で進められますが、タイ語の読み書きは家庭や塾でのフォローアップが必須です。
アヌバーンプーケット(Anuban Phuket School)
アヌバーンはタイ語で幼稚園、小学校はプラトムですが、この学校はアヌバーンという名称でありながら4歳から12歳までの子が通う付属幼稚園のある小学校。
ちなみに、タイの各県を代表する国立小学校は全てアヌバーン〇〇(〇〇の中に県の名前が入る)です。
各県に小学校が置かれる以前の幼稚園(託児所的な存在)から存在していため、 アヌバーンという名前が残り学校名になったと言われています。
中学入試に有利なのか、次で紹介する公立の中高一貫校にはこの学校の卒業生が多くいます。
中高一貫校編(タイ・プーケットの国公立校)
タイ語ではマタヨムと呼ばれる中高一貫校です。
義務教育は日本と同じ中学校3年生までなので、高校進学時に同じ学校に残るか(残れるか)
アーチィワッ = 職業高校、専門学校
パァーニィッ= 商業専門学校
テクニック= 工業専門学校
などの専門学校に移るかの進路選択があります。
高校卒業後はウイッタヤラァーイ(〇〇collegeとつく短大)かマハァーウイッタヤラーイ(四年制大学)に進む学生が多く、日本と同じように大卒でないと良い職業に就くことが難しいため、2021年時点の大学進学率は約7割にも。(出典: タイ教育省教育情報センター)
サトリー(Satree Phuket School)
近年タイの公立高校ではインタープログラムが激増中。
— プカちゃん (@phukachan100) November 4, 2021
普通科では理数系と文系があり、文系は自分が選んだ第3か国語をネイティブと3年間勉強する。日本語やドイツ語、フランス語やミャンマー語など7か国語の中から選べ、高3になるころにはペラペラに話せる子もいる。 pic.twitter.com/0KWpbFmfH8
筆者は埼玉出身なのですが、県南部で一番頭の良い公立高校は、男子ならこの学校で女子ならあの学校と誰もが知っていました。
きっと、地域にもそういう学校がありますよね?
サトリーはプーケットの名門公立中学2つのうち文系が強い学校で、第三言語を7か国語の中から選択でき、共学ではありますが、女子の割合が高いのが特徴です。
プーケットウィッ(Phuket Wittayalai School)
学力的にはこの学校がプーケットで一番賢い、偏差値トップの学校です。
理系に強く男子学生が多いためか、風の噂では途中でグレる生徒も一定数いて、進学校のわりに治安大丈夫か!?と思うこともあります。
その反対に「優秀な卒業生が〇〇の事業で成功した」といった噂も耳にします。