海外からの在宅ワークに税金はかかる?ビザや確定申告は?【タイの場合】

海外からの在宅ワークに税金はかかる?ビザや確定申告は?【タイの場合】駐妻&海外OKの在宅ワーク

海外在住でもできる在宅ワークについて書いた際、短期間で多くの人に読んでもらった記憶があります。



まだまだブログ歴の浅い私ですが、コロナの影響で少しでも収入源を確保したいという人の切実さに触れました。

と同時に

駐在員の帯同家族としてタイに来ている人は
今のビザで仕事をしていいの?
税金はどこに納めるの?

といった不安材料から行動を起せないという話も聞きました。

この記事では海外からの在宅ワークにまつわる、ちょっとシビアな疑問ついて、タイ在住いほーじんAが、アレコレ調べた内容を備忘録がわりにまとめました。

項目別に参考にしたサイトを載せていますが、専門家ではなく一個人の見解なので、何か新しいことを初めてみよう!という方は是非ご自身でも確認をお願いします。

この記事に向いている人
  • 帯同でタイにいるが今のビザで働いてもいいのか知りたい
  • タイ在住で副業したいが税制が心配
  • 海外から日本の在宅ワークをしているが確定申告が気になる




タイで就労ビザのない人が在宅ワークできるか?

タイ政府観光庁のワーケーション
タイ政府観光庁【タイでテレワークしてみよう!】コロナ禍時代に働き方改革でプチ海外移住体験


まず、就労ビザがない人間は働けるのか?という問題です。

現地で働くために必要なビザは、就労者向けのBビザ(ノンイミグラント-B)ですが、タイで正規就労する外国人の配偶者/扶養家族が持っているのはOビザ(ノンイミグラント-O)です。

ビザがない場合は全く働くことができない」と考える人もいるようですが、就労ビザやワークパミットは、タイ国内の会社で働く場合や、物販、習い事教室、美容師やカメラマンなどスキルを活かした業務をタイ国内で行う場合に必要なものです。

日本の企業によるクラウドソーシングで収入を得る場合、赴任者の家族やEDビザ所有の学生の両親でも問題ありません。

事実、タイ政府観光庁が【タイでテレワークしてみよう!】コロナ禍時代に働き方改革でプチ海外移住体験のページを作成し、観光ビザ(TR)を使ってテレワークしながらプチ移住するプランを積極的にオススメしています。

つまり「タイ在住者が日本の在宅ワークをすることに、ビザによる制限はない」のです。



ビザと納税はまた別の話なので、次は納税について。

在宅ワークで得た日本円にかかる税金


働いても所得税が生じない国は世界でもわずか。世界中どこにいても税金はつきまといます。

タイにいて日本の在宅ワークで収入を得ている場合

日本に住民票がある人は日本に納税
住民票を抜いてタイに住んでいる人はタイに税金を払う

というのが原則的なルールです。

タイに住んでいたら日本で税金を払わなくていいってこと?


国税庁のサイトを確認したところ、海外在住者への課税についてはこの様に書かれています。

我が国の所得税法では、個人の納税義務者を「居住者」と「非居住者」に、法人を「内国法人」と「外国法人」とに分けた上で、「非居住者又は外国法人(以下「非居住者等」といいます。)」に対する課税の範囲を「国内源泉所得に限る」こととされています。

また、「国内源泉所得」を有する「非居住者等」がどのような「国内源泉所得を有するか、支店や事業所などの「恒久的施設」を有するか否か、「国内源泉所得」が「恒久的施設に帰せられる所得」か否かにより、課税方法が異なります。

出典:国税庁 No.2873 非居住者等に対する課税のしくみ(平成29年分以降)

参考:国税庁 No.2873 非居住者等に対する課税のしくみ(平成29年分以降)


タイ移住している日本人でも住民票を日本に残してくる人は多いです。

この場合はフリーランスでなく、日本の会社に所属しながら源泉徴収で税金を納めるとワーカーの負担も少なく、安定した収入を得られるのではないでしょうか?


非居住者に対する課税の範囲


前項で「非居住者又は外国法人(以下「非居住者等」といいます。)」に対する課税の範囲を「国内源泉所得に限る」とありました。

これは、日本に住んでいない場合も日本国内で発生した収入は課税対象になるということです。

国内源泉所得とは何ぞや?ということで確認したところ、日本に不動産収入がある場合や年金を受け取っている人は、国内源泉所得とみなされて課税対象となります。

では、在宅ワークはどうなのか?該当の記述をチェックしてみると

(10) 給与、賞与、人的役務の提供に対する報酬のうち国内において行う勤務、人的役務の提供に基因するもの、公的年金、退職手当等のうち居住者期間に行った勤務等に基因するもの

出典:No.2878 国内源泉所得の範囲(平成29年分以降)



日本国内で行った業務が対象なので、日本に住民票がない場合、海外で作業して得た報酬や広告収入は課税対象にはなりません。

参考:No.2878 国内源泉所得の範囲(平成29年分以降)

課税対象になる恒久的施設とは?


住民票がない場合も、日本に恒久的施設がある場合、課税の範囲が大きく変わることがあります。

タイにいる在宅ワーカーに関係あるのか?そもそも恒久的施設とは?

参考:国税庁 No.2873 非居住者等に対する課税のしくみ(平成29年分以降)

参考サイトを見て頂くと正確な内容がわかりますが、かみ砕いて説明するとこんな感じでしょうか。

  1. 事務所、支店、工場が日本国内にある
  2. 日本に12ヶ月を超えるような長期工事現場がある
  3. 日本に代理人がいる



例えば、あなたが物販をしていて、タイから日本に商品を送り、日本にアパートを借りて在庫管理や発送を行う拠点にしている。

この場合、恒久的施設とみなされ、課税対象となることがあります。




基礎控除・非課税の範囲


住民票を日本にしている場合、海外から在宅ワークをしても確定申告が必要ということが分かりました。

しかし、少額しか稼いでない場合は払わなくて良い「基礎控除」というルールがあります。

日本・タイどちらで確定申告する場合も、一定金額までは控除の対象もしくは非課税です。

日本は48万円、タイは10万バーツまで基礎控除の対象で確定申告不要、タイでは課税所得15万バーツまで非課税です。


これから在宅ワークを始める人は、順調に稼げるようになってから確定申告について調べ直すのが良いのではないでしょうか?


参考:国税庁 No.1199 基礎控除
   JETRO 日本貿易振興機構(ジェトロ) タイ 税制
   


居住者(住民票が日本にある)の確定申告


続いて、日本に住民票がある人の確定申告について調べてみました。

タイに住んでいても、住民票が日本にある人、もしくはタイに来て180日未満の場合、日本の居住者として日本で確定申告する必要があります。

ご自身で日本語を使って手続きできるので、個人事業主である在宅ワーカーは住民票を残した状態で日本へ納税することも1つの選択だと思います。

参考:国税庁 所得税の確定申告

日本の税制に従って納税


収入が基礎控除の38万円以下であれば、確定申告は不要でしたが、加えて日本で確定申告する場合には、65万円の青色申告控除を受けることもできます。

これは、確定申告不要の限度額が上がるだけでなく、在宅で働いた分、家賃や光熱費の一部を経費として申告できるというもの。

日本に住民票がある場合は大いに利用したい制度ですが、タイで発生した経費を日本側に申告するのはなかなか大変そうです。

参考:国税庁 No.2072 青色申告特別控除
   国税庁 No.2210 やさしい必要経費の知識

住民票が日本にない場合は源泉徴収に注意


日本の居住者に対して仕事を依頼する場合、依頼主は源泉徴収の義務が生じます。

在宅ワーカーが源泉徴収不要の場合は、請求対応時にその旨を伝えないと、依頼主は通常通り源泉徴収します。

この場合は申告をすれば源泉徴収税額の一部が還付されますが、大変なのでお仕事を引き受ける前に報酬の内訳を確認しておくようにしましょう。

例えば、クラウドワークスの場合、海外在住者への報酬を考慮して源泉徴収を外すことができるようになっています。

クラウドワークスの源泉徴収設定




非居住者(海外転出済)の確定申告


日本に住民票がなく、タイに住んでいる場合は日本の非居住者でありタイの居住者になります。

この場合、タイの税制に従うことになりますが、日本の会社と契約し、タイで作業して得た報酬に税金はかかるのでしょうか?

タイの税制について、日本語で記載されているジェトロのサイトを見てみました。

個人所得税 1. 課税対象 a. 居住者
歳入法により、タイでは居住者がタイで得た所得に課税される。税務年度の前年に地位や役職または海外の事業もしくは海外の財産から課税所得を得たタイの居住者は、その課税所得が同年中にタイに持ち込まれた場合のみ、個人所得税を支払うことになる。タイの居住者とは、暦年中のタイの滞在日数合計が180日以上滞在する者すべてを指す。タイの居住者は、タイに源泉のある現金所得に対して、それがどこで支払われたものであれ、所得税の納税義務がある。また、源泉が海外にある場合も、タイに持ち込まれた所得については同様である。

参考:JETRO 日本貿易振興機構(ジェトロ) タイ 税制



え?なんだって?



これ、分かりにくいですよね。

赤字にした部分はこんな風に解釈できます。

①タイと日本両方に会社があり、タイで行った業務に対して日本側からお給料が出る場合、これはタイ国内源泉所得だからタイで納税しなさい。

②日本で得てる不動産収入などはタイ国外源泉所得ですが、送金等でタイに持ち込んだ場合は課税対象です。タイで納税しなさい。

そもそも、タイに進出している日本企業と、そこで仕事をする海外赴任者に対する税制の説明なので、フルリモートの在宅ワーカーに当てはめて考えるのが難しいです。

タイで確定申告をする方法


在宅ワークで得た報酬を個人所得としてタイで確定申告する必要があるのか?

この答えはハッキリしませんが、タイの会社で働いていて、個人で確定申告しなければいけない場合の手順はわかりました。

【確定申告に必要な書類】

  • 確定申告用紙(ภงด.91)
  • 源泉徴収票(50ทวิ)
  • パスポート(出国カード、90日レポートの受領書)
  • ワークパーミット
    (以下、扶養家族がいる場合)
  • 婚姻証明
  • 出生証明書
  • 扶養家族のパスポート情報



現地採用時代は会社が全て面倒を見てくれて、自分は還付金をもらいに行くだけでした。

オンラインでの確定申告もできないことはなさそうですが、タイ語しかないので、タイ人のサポートなしに進めるのはなかなか面倒です。

参考:E-FILING(電子出願システム)

10万バーツ以上稼ぐ場合は税務局で確認


日本の国内源泉所得の定義は「国内において行う勤務による給与」だったので、タイでも同じであれば、日本の在宅ワークで得た報酬をタイで確定申告するということになります。

しかしながら、タイの確定申告の手続き上では、タイにある会社に出してもらう給与所得の源泉徴収票(50ทวิ)が必須

タイ語の書類しか受け付けていないという情報まであり、これでどうやって、個人が在宅ワークで得た報酬を申告するのか?


うーん、少なくとも個人では無理っぽい…



良く分かりませんが、所得の申告義務があっても申告する方法がないように思います。

タイでの基礎控除は10万バーツが上限なので、これを超える場合は会計事務所に相談した方が良さそうです。

はっきりしない結論で申し訳ないですが、海外からのリモートワークが広まったのはコロナ以降の話なので、まだ法整備がされていない可能性もあるのかもしれませんね。


さいごに:立場に合わせ稼ぐ金額に注意


日本のクラウドソーシングを紹介するブログの多くが、「滞在国で働いてないんだから駐妻ができる仕事として紹介していい」という前提で在宅ワークに関する記事をアップしています。

「そんなに簡単な問題?ちょっと無責任じゃない?」という印象ですよね。

実際、何かあったときは自己責任なので、ビザや税制の説明抜きに「駐妻ができる在宅ワーク」の紹介をしても悪くはないのでしょう。

ただ、それでは説得力に欠けるよなと思い、せめて自分の住んでいるタイではどんな扱いになるのかを調べました。

今のところ、「稼ぐ金額に気を付けながら、専門機関に相談しよう」というのが私の見解です。

また、何か分かったら自分の備忘録のためにもこの記事を更新します。


日本とタイ2拠点でお仕事されている方へ


最後までお読みいただきありがとうございました。

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